歌舞伎と能と狂言の違いと共通点とは?格(格式)の違いはある? | 耳ヨリ情報局
スポンサーリンク

歌舞伎と能と狂言の違いと共通点とは?格(格式)の違いはある?

文化・芸能

「歌舞伎」も「能」も「狂言」といえば、3つとも日本の格式高い伝統芸能。

だけど、どこかどう違うのか?と言われてしまうとはっきり答えられる人は大人でもあまりいないでしょう。
自分の国の文化なのに、知らないままでいるのもちょっとモヤっしますよね…。

スポンサーリンク

そこで、歌舞伎・能・狂言の3つの違いをしっかり知っておきましょう!

スポンサーリンク

歌舞伎と能と狂言、違いと共通点

歌舞伎とは?

歌舞伎は無形文化遺産一覧に掲載され、認知度も非常に高い伝統芸能です。

元の言葉は「傾く」(かぶく)という常識にとらわれずに斬新な装いや動きをすること。

元々女が踊るもので京都で大人気となり、歌舞する女「歌舞姫」と呼ばれていました。
娯楽としての踊りから、徐々に演劇にかわり様々なタイプの演目を生み出しました。

具体的には偉い人だけの広いイメージの歌舞伎と、今の舞台と何ら変わらないごく普通の演劇とする歌舞伎、
さらに別のジャンルとのコラボなど、多くの種類の歌舞伎が若い家元によって作られていますね。

「歌舞伎座」という専用の劇場も現存していますよ。

能とは?

能は元々は「猿楽(さるがく)」と呼ばれ世阿弥によって洗練されました。
平安時代にはすでに成立していたものです。

明治以降になって呼び方が「能楽」と変わり、狂言と能をセットで呼ぶようになりました。

元々は一般芸能だった演目なのですが、室町時代になって寺社と繋がるようなことになり今のような厳かなものになりました。

能楽堂と呼ばれるほぼ正方形の専用舞台を使い、役者が面を被り、神社などで能を奉じます。
歌舞伎が動ならば能は静のイメージですね。

狂言とは?

狂言はというと、はじまりは能と同じといわれています。
能は厳かさやシリアスに特化し、狂言は笑いや滑稽さに特化した演劇となっています。

「狂言」という名前は仏教の言葉で、道理に合わないものや飾られた言葉を意味する「狂言綺語」からきています。

庶民に寄り添った形であり、位置付けとしては歌舞伎と近いといえます。

例えるなら、歌舞伎は派手な劇団、能はバレエなどのどこか上品な劇団、狂言はコメディ系の劇団。
イメージとしてはこんな感じです。

では逆にこの3つの共通する部分と、それぞれに核の違いといったものはあるのでしょうか?

歌舞伎と能と狂言で共通する部分、違う部分は?

まず能と狂言は発祥が同じものでで、元の名前は「散楽」(猿楽ともいいます)。

これが二つに割れて、役目や内容が全く別のものになったわけです。

また、当初は歌舞伎も含めて庶民が見る娯楽として上演していました。

できた年代は全く違いますが歌舞伎も散楽も、目的は一緒です。
それは庶民、時には目上の人も楽しむ為の芸でした。

歌舞伎には江戸歌舞伎と上方歌舞伎があり、早い話が庶民のお話と偉い人達のお話に分かれていました。

能と狂言に分かれてしまいましたがこういう二面性は散楽にもありますよね。

異なる点は?

一方、異なる部分は宗教的な要素があるか無いか、が大きな違いです。

また、能には宗教的な意味合いを強く持ちますが、歌舞伎と狂言にはありません。

宗教と言うのは少し違うんですが、お客の前というよりはもっと上の位の人たちのための出し物というほうが正確かもしれませんね。

ストーリーや表現方法も異なる

他にも歌舞伎や能は隈取や面でキャラクターを表現し、狂言にはそれが無いという点もあります。
歌舞伎や能は、顔に付けられた面や隈取の色・付き方によってその役がどんな人物かがわからないといけません。

狂言はストーリーや喋りが中心であり、見ている側も深い読みを必要としません。
見て聞いているだけで、その人がどんな人かすぐわかってしまうわけです。

こうやって比べてみると、色々な違いや共通点がたくさん見えてきませんか?

歌舞伎・能・狂言で格(格式)の違いはあるの?

それぞれが違う演目なので簡単に格式の違いを断言することは出来ません。

が、歴史と見る機会のレアさで言えば能と狂言が上。
見る時の金額で言えば歌舞伎が上
という位置づけがあります。

ただ、神様に捧げる舞という点では能が格式という点でトップといってもいいでしょう。

もちろん演目や上演目的で内容や見る側、出る側も変わり、
特にこれ!と言えるものでもありません。

まとめ

歌舞伎は派手で豪華、立ち回りが大きく勢いがあります。
能は反対に静かで神秘的、厳かなながら芯が強い。
狂言は人情や笑いが中心で庶民の楽しみであり癒やしでした。

この3つの伝統芸能は全く別物であることがわかりました。

スポンサーリンク

コメント